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時代の変化とともに、こころの病に対する認識は変化しつつあります。しかし、実際に患うご本人やともに暮らすご家族の苦しさや辛さはそう変わったりしません。どんな理屈や倫理感や常識があろうが、すべてを投げ出したいのは一度や二度ではないでしょう。
我が存在を、あるいは我が子やパートナーの存在を本当に投げ出したい、その川の渡し船に乗ってしまうその前に、ここにちょっと立ち寄ってほしいと、「先人」たちが開設したお茶屋さんです。

摂食障害 2022.2.10

お笑い

私が死ぬほど辛くなった時は、まず家に引きこもります。私はお笑いが好きで、特にキングオブコントとM-1グランプリという賞レースが好きなので、その映像をたくさんみます。面白かったコンビのSNSを見たり、動画、ラジオを見たり聞いたりして推しの芸人のことばかり考えています。その2つの賞レースに出るような人たちはまだ売れていないため、決勝に出たことをきっかけに、仕事が増えると嬉しくなります。推しが徐々に売れていくのは気分が良くなります。

そんなこんなで、うつ状態の時は、家ではその推したちの何らかの映像や音声を流し、外出している時もイヤホンをして常に流しています。仕事が終わり更衣室で着替えると同時にイヤホンをして聴き始めます。寝る寸前まで音声を聞いて寝落ちするため、睡眠中も聞いていることになります。今思うと、ここ4年くらいは誰かしらの芸人の推しがいて、その推しのネタや情報を常に浴びながら辛いことをやり過ごしているように思います。



摂食障害 2021.11.10

200mlが5リットルになりました

ある時、旅行に行く許可を得るため、病院での体重測定前に水を飲んで体重を増やしたことから悪化は始まりました。それから体重を減らしても水を飲めばバレない、と考えるようになった私はどんどん体重を減らし、病院に向かいながら飲む水の量もどんどん増えていきました。

増える過活動、減る食べる量。親や病院の先生に対して体重を誤魔化していること、食べていないのに食べていると嘘をつくことは辛いものでしたが自力では体重を増やすことはできませんでした。

そんなある日、いつも通り病院で採血をしたら肝臓の数値がいつもよりも桁違いに悪く、体重どうこうではなく入院と言われました。2回目の入院のことでした。そこで初めて体重を水で増やしていたことを白状しました。

現在、症状は回復しています。それはやはり、2回目の入院の前の辛かった思い出の頃には戻りたくない、という気持ちがあるからだと思います。人に嘘をついていたことはもちろん、秋から厚手のコートとマフラーを手放せない寒さ、回らない頭、コントロールできない過活動…。痩せていることが必ずしも幸せに繋がることはないと感じました。



摂食障害 2021.01.10

被害者意識と自己愛性

ずっと罪悪感というものを勘違いしていた。自分が罪悪感と思ってきたものは、実際には被害者意識だったと今は思う。誰かを傷つけたことさえ、「そんなつもりじゃなかったのに」と真っ先に傷つくことで、自分を傷つけたのは相手だ、と内心で責めていたのだと思う。
強い被害者意識は自己愛性パーソナリティ障害の特徴の一つだ。摂食障害が長引く要因でもある。どちらも、自分の問題を自分のものとして受けとめるところからやっていくしかないと思っている。



摂食障害 2020.05.03

体力が落ちて

精神的にヘロヘロになり引きこもっていたら、体力的にもヘロヘロになりました。立っていてバランスがうまくとれなかったり、指先に力が入らなかったり……。主治医に相談しました。最近調子が悪く、飲み物をこぼしたり皿を割ったりしています、と。
「それは自分で皿を割っているということですか?」
主治医はすごい剣幕でした。「いえ、力が入らなくてツルッとすべって皿が落ちて、というのを繰り返していて」「ああそういうことですか」ホッとした様子でした。今まで主治医に過酷な心配をさせてきたことをしみじみ思い知った一件でした。



摂食障害 2020.03.03

いい子ずるい子

痩せることで、親や学校、社会に無言で要求していた。あれをしてほしい。これはされたくない。自分の口で言うことはなかった。嫌われたくなかったし、発言することの責任を負えないから。その分、食べるものを減らした。色んなものを人質に取っていた。貴方との関係性。自分の命。私が思い詰めたらどんな風に壊れると思う?
周りは怖くて言いなりになるしかなかっただろう。「摂食障害になる子はいい子が多い」と昔は言っていたらしい。残念ながらそれは幻想だ。少なくとも私はいい子ではなかった。本当にいい子だったら、ちゃんと自分の口で言えたのだ。「私をデブって言わないで」と。



摂食障害 2019.09.03

強迫行動をやめた理由

過食が始まった時、私は太ることが怖くて、強迫的に運動をしていました。私が選んだ運動は、階段昇降です。高層マンションや高層ビルの階段をひたすら上り下りしていました。
とあるマンションの階段で初めてペットではなく人間の排泄物が落ちているのを見てビックリしました。そのうちに「ここで排泄しないでください」という貼り紙が貼られるようになり、「私が犯人と間違えられたらどうしよう」と不安になり、運動場所を変えるようになりました。
階段でトイレをする人がいるんですね。



摂食障害 2019.07.03

(不)自由な家

両親のことは好きだ。仲も良い方だと思う。でも、それだけというわけでもなかった。タブーの多い家だった。言ってはいけない言葉。考えてはいけない考え。縛りの多い家だったことを、今でも母は認めようとしない。父とは母を介してしかあまり話せなくて、父の考えを聞いたことはない。
親は親で生きればいいから、私は私で生きていきたい。
自由になりたいと言葉にすることも、本当は怖い。両親を否定してしまう気がして悲しい。そう思ってしまうのは私の歪みで、抱えた課題で、今持つことのできる私の自由だった。



摂食障害 2019.04.03

拒食制限型(絶食激やせ型)とおでん

ミモザ(デイケア)の特徴でもある、食事会。ちょっとした昼食会、ナイト夕食会、誕生会。その食事会のメニューですが、最近ヘビーな内容が続いていました。ピザ、カレー、ハンバーグ......やっとサラダになった!と思ったらツナ入り。そのツナ缶はカロリーオフ?ノンオイルですか!?
結局、怖くて参加できなかったことも。拒食制限型でも入れるメニューはないか?と皆で考え、出ました。おでん!これなら!!......蓋を開けてみたら「こんにゃくは短時間では味がしみないから」「野菜が高かった」等々、練り物中心のおでんに。
制限型、怖くても参加するか、悩むことになりました。

ミモザ(デイケア)の食事をこちらのページで紹介しています。





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